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8. 肋板を支持する船底側桁

 

軽構造船暫定基準にも軽構造船構造基準(案)にも、又アルミニウム合金製漁船構造基準(案)にも船底肋板を支持する船底側桁の断面係数規定はない。暫定基準とアルミニウム合金製漁船構造基準(案)には、前者には横肋骨方式の項に、後者には縦横両方式の項にそれぞれ船底側桁の規定はあるが、これらは肋板の倒れ止めの目的のもので、これにより肋板を支持すると見なすことは出来ない。

従ってこの場合、肋板のスパンは中心線縦桁〜チャイン間の長さを採らねばならない。

然し此のスパンが大きくなると肋板の深さが過大となり、色々な面で不利となるから、有効な側桁を中間の設けて肋板の寸法を減らすことが得策である。

●肋板を支持する船底側桁の断面係数の算定(漁船構造基準(案)べース)

本項はもともとアルミニウム合金製漁船構造基準(案)の原案にはあったが、成案からは除かれている。

肋板と船底側桁は中心線縦桁の場合と同じ様な相持ち構造と考え、側桁は肋板の受ける集中荷重を前後の肋板に伝えるものとし、側桁はその両端を肋板に固定された梁として計算する。

従って断面係数Zは

 

Z=C・P・s・l2y(cm3)

茲に C=係数

P=0.0344L-0.0185 (?sf/cm2)

(L=船の長さ(m))

s=船底側桁の支える巾(m)

l=肋板の心距 (m)

σy=材料の耐力(?sf/mm2)

Mmax=1/8×s×102×l×102×2l×102 (kgf・?p)

∴Z=Mmax/102×σy

=2,500・P・s・l2y (?p3)

 

これは倒れ止め目的が主の船底側桁の計算式(解説 318の式)

Z=830・P・s・l2y(cm3

の3倍となり、この断面係数を持つ船底側桁であれば肋板は船底側板で支持されると見なされる。

同様な考え方は甲板縦桁にも準用出来る。

 

012-1.gif

 

012-2.gif

相持ち肋板の荷重状態

 

 

 

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