3) FBの通りを見て、曲がっている箇所を探す。
上記2)及び3)のひずみ取りは、(1)のガーダーの場合と同じである。
(3)変則ガーダーのひずみ取り
Fig.7.102に示す例のような場合、
1) 曲がりがひどい場合には、FB1]の曲がりをおおまかに直す。
2) ウェブ2]のストレートラインを直にする。その順序は、FB1]の曲がり部aを焼いて(偶数回)水冷する。これで直らなければ、ウェブ2]のbを焼く(a、bを繰り返し焼く。最初にbを焼かないこと)。
3) FB3]の曲がりを直にする。
4) FB1]の曲がりを最後に矯正する。
(4) デッキガーダーのひずみ取り
Fig.7.103に示す例のような場合、
1) 形材のストレートラインを直にする。この場合の方法は変則ガーダーのときと同じである。
2) FBを直にする。
(5) 補機台などのひずみ取り
形状が一定化していないので、Fig.7.104に示すように縁に骨がない場合と、ある場合について述べる。前者は、ひねりを生じるのでジャッキで水平に押さえ、縁を約30mmほど三角焼きし、水を掛けてしぼる。後者も三角焼きで最初に骨の曲がりを直し、次にひねりを直す。
7.9.3 溶接ひずみの許容限界
やせ馬その他の溶接ひずみの許容限界としては、7.5で述べた部材の取付け精度の場合と同様にTable 7.47に示した33)ので、参考にされたい。
参考文献
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