また、Fig.5.37は、5083-H112合金20mm板突合せ継手(放射線等級分類6級)から採取した平行部径d=10mmの回転曲げ疲労試験片の実験点を、表面に検出された気孔の最大径で整理したものである42)。これらから、気孔径が大きくなるほど疲労強度が低くなることは分かるが、その大きさが0.2mm程度以下であるならば、それほど影響を及ぼさないといえよう。もっとも、気孔の数も関係する。これについては、余盛を削除した7039-T6151合金12.7mm板突合せ継手の平均応力σm=9.2kgf/mm2、応力振幅σa=8.3kgf/mm2における疲労寿命は、破面における気孔の大きさとその数から算出した気孔率にほぼ比例して減少し、き裂は内在する気孔から発生する、という実験43)がある。