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(b) 側面すみ肉溶接

 

側面すみ肉溶接では、Fig.14(b)のT継手の例のように荷重Pの方向が溶接線に平行で、すみ肉全長にわたって応力が均一に作用し、かつ、のど断面において破断すると簡単に考える。この場合、のど断面におけるせん断応力τLは次のようになる。

τL=(P/dl)・1/2=(P/0.707sl)・1/2

=O.707P/sl

せん断強さに対する考え方は、前面すみ肉溶接におけるのと全く同じである。Fig.15(b)は、各種溶加材を用いた場合のすみ肉のサイズと単位長さ当りのせん断強さの関係36)を示したが、Fig.15(a)の前面すみ肉の場合よりも低い値となっている。

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2.3 座屈強度

 

一様断面の柱が軸圧縮荷重を受ける場合、アルミニウム合金の実験結果は弾性域(長柱)では式(2)で示されるオイラー(Euler)曲線に、塑性域(短柱)では式(2)において縦弾性係数Eの代りに接線係数(tangent modulus)Et(=dσ/dε)を用いた式(3)に、それぞれ合致することが確かめられている。

σk=P/A=nπ2E/(l/k)2=nπ2Ε/λ2

または、

σk2E/(l/k)22E/λ2 (2)

σk2Et2 (3)

 

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Table 20 建物及び橋梁におけるすみ肉溶接の許容せん断応力*(米国アルミニウム協会規準)30)

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* せん断応力は、荷重をのど断面積で除した値に等しいとみなす。

注.(1) 溶加材の最小せん断強さ(期待値)は、1100合金が52N/mm2、4043合金は79N/mm2、5183合金は128N/mm2、5356及び5554合金は117N/mm2、5556合金は138N/mm2、5654合金は83N/mm2である。

(2) 6005及び6351合金も含む。

(3) 母材のせん断強さからの調整値。

(4) 肉厚9.5mm以上の6063合金照明柱において、質別T4を溶接後人工時効してT6とした場合には、曲げを受ける円筒又は卵型の部材及び直角方向に負荷されたソケット型基礎組立台の溶接部は55N/mm2とする。ソケット型以外の管状照明柱では41N/mm2である。

 

 

 

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