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2) 破壊状況

L-1は継手部がないため一般的な曲げ破壊現象となったが、L-2〜L-4はそれぞれ異なった破壊現象となった。表3-1-10〜表3-1-15にL-2〜L-4の破壊した順序及び破壊層状況を示す。表曲げ及び裏曲げと破壊順序を示すための位置(○数字)は各表の付図として示した。

3) 所 見

ロングスパンでの4点曲げによる強度は、表曲げよりも裏曲げの方が高い値を示した。原因として、破壊現象による影響と思われる。

表曲げでは、荷重点の引張側にバット部の端部があり、その部分に若干の段差があるため、応力集中による亀裂の開始点となったようである。

裏曲げの場合は、破壊の開始点となる部分は表側(型面)の平滑な面となり、応力集中が発生する要素のない部分のため、表曲げとの差ができたものと思われる。なお、裏曲げの場合はバット部の端部が圧縮側となるため亀裂が発生せず、破壊の開始点にはならなかった。

確率は低いが、L-2Lに継手中央のバット部(3])から破壊(引張側)したものがあった。接着面がスカーフ加工されているため、被接着面にM層とR層が現れ、バット部との接着能力が低くなったものと思われる。

継手部の強度を上げるには、継手部の断面積を大きく、母材部よりも十分小さな内応力となるようにすることが必要である。したがって、いかなる場合も母材部より破壊するように設計することが必要である。

 

 

 

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