4. 考 察
4.1 二次接着面のせん断強さについて
各層が積層計画とおりの積層厚さであれば、二次接着面のせん断力は最大せん断力の約94%となる。
今回の実験(静的試験)では二次接着面で破壊するものは無かった。
全試験片40本のせん断強さの標準偏差は2.86%であったので、せん断力の6%低い二次接着面では破壊されなかったものである。
4.2 二次接着継手の曲げ強さ
変形量が大きく、計算上の曲げ剛性、曲げ強さとも、かなり小さく出ている。
母材は、試験装置の変形許容量では破壊しなかった。
継手部厚さはテーパー底の厚さ(切断面の削り残り厚さ)だけ母材より厚くなる。母材試験では白化等破壊の初期と見られるものもあったが、破断しなかった。
在来の材料試験と対比するため、試験材に残りがあれば3点曲げ試験を実施する方向で検討する。
Wet on Wetで積層した継手はWet on Greenで積層した継手より厚さが薄くなり、破壊荷重も低くなる。しかし、二次接着積層のガラス含有率が高くなるので、厚さに対応する曲げ強さは若干高くなる。
4.3 疲労試験による評価の必要性
疲労試験では潜在的小欠陥の影響が大きいと考えられるし、実船の部材は当然繰り返し外力を受けているのであるから、疲労試験を行って評価する必要がある。