この機能がCAD:コンピュータ支援による設計…を名乗るゆえんでもある。このコンピュータによる設計×現図のあり方については、図面ありき…を前提とする本書のことでもあり、末尾でまとめて解説することにする。
さて、この「●外郭形状」のファイルには、「●ロンジ断面」と「●法線ベクトル」が同居している。ロンジ断面の方は、外郭形状に含まれて作画されているので、次に:
(3) 法線ベクトル:−
…を[図5.2.4 セクションカットの概念]で説明しよう。
図の⇒印が、ここでいう法線ベクトルで、各面の交線に直交する面上のものを指し、面と面の交角を表現する。交線が曲線のときの法線は、さきに見た[図2.1.7 法線と接線]で定義されるが、法線ベクトルは、この接線に直交する平面と、曲線の含まれる曲面の交線の、その位置での「接線ベクトル=方向ベクトル」に等しい。この値を内構形状の各辺の2次元座標値に属性としてぶら下げておくのである。
外郭形状やロンジ断面の単なる作画には使わない属性データが隠玉として準備され、これが以降の一品処理において、あたかも3次元処理のよう役立つ。