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(1) セクションカット:−

内部構造は、骨組みと言うように、通常は平面図形として設計され、その平面も[図5.2.2 構造面での船体の切断]に見る船体横断面か、これに格子状に直交する船体中心面に平行な縦断面、及び船体中心面に直交する水平断面とされることが多い。設計図では、正面図/側面図/平面図の三面図で表現でき実形が描けて、現図も実形が描けて展開を要しない。

だが、構造の構成上から、まま船体中心線に直交でも平行でもない傾斜した断面が、構造面とされることがある。この傾斜断面を[図5.2.2 構造面での船体の切断]に示す「任意断面」と言うが、この図の傾斜横載面は代表的に示したもので、シヤのあるサイドストリンガーや傾斜配置のガーダーなども、これに当てはまる。

セクションカットとは、これらすべての構造面を基本データから取出すことをいう。したがって内構システムでの任意断面とは、正面なりの横断面や側面なりの縦断面をも含むものと捉える。直交とか平行とかの方が、よしんば標準的であっても、システムでは1条件の場合にすぎない…とするのである。この考え方は、コンピュータでシステム化するときの定石みたいなもので、外板システムでもフレームシステムでも見てきた通りである。 断面形状計算についても、すでに見てきた「フェアリング」の章の[図2.4.4 ロンジランディング計算]や「外板システム」の章の[図3.2.2 矩形柱の切断面]/[図3.2.4 直線と面の交点]/[図3.2.7 曲面の格子近似]などの延長であり、ほぼ想定がつくであろう。

ここまでは、確かに3次元処理である。

 

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図5.2.2 構造面での船体の切断

 

(2) 外郭形状:−

船体モデルである基本データをセクションカットして得られた断面データを作画すると、[図5.2.3 外郭形状の例]に見るような断面形状となる。この例は船首部の横断面であるが、この断面がトランスウェブ位置であれば、ウェブ内側形状を加えることで、内構の実形が描ける。

ここまでの手順を使えば、数値現図としてではなく、形状精度の高い断面の構造設計図に適用できることが判るであろう。

 

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図5.2.3 外郭形状の例

 

 

 

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