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(1) 中性軸の設定

基本データの外板付曲線点列から、フレームのウェブ面上の法線方向に中性軸寸法:Hを与える点を求め、その点列を連ねれば、中性軸のタブシルとなる。

中性軸位置は、弾性変形の自然曲りだと断面重心と一致するが、塑性変形となる曲加工では、

H=(1±k)A/2t…とされる。A:条材の断面積、t:条材ウェブの板厚

±符号:曲げ方向により変わり、正反り→(+)、逆反り→(-)

k:条材の断面形状/寸法及び曲げ加工方法により異なる定数

定数:kは、あらかじめ実験により準備しておく。

別冊『現図展開』で紹介している:K=0.03は、実験未済の造船所の参考のために、山形鋼のプレスベンダー曲げでの近似値を示したものである。

 

(2) ピッチ割

中性軸の長さがフレーム条材の長さになるから、実マーキン作業で逆直線オフセット:a1,a2,a3,a4,a5…を与えるピッチ:g1,g2,g3,g4…を中性軸上に決める。これらのピッチ位置で、中性軸に垂直な直線を「ピッチ線」という。

一般にgiは等しくされるが、これはマーキン作業の単純化のためであり、曲線の"きつさ"によって、変えるのも合理的である。当然に、NC形鋼マーキン切断装置ではピッチ割はない。なおaiには条材寸法と背/腹マーキン面により上下限がある。

 

(3) 逆直線の設定

曲りの正/逆に応じて、フレームの端部に逆直線の始点を決め、aiの制限内に入る最長の位置に終点を求める。この終点位置がフレーム長より出るようであれば、フレーム終端部でai下限の位置を選び、逆にフレーム長より手前であれば、逆直線を複数にすべくフレームの中間に終点を決め、重なり寸法だけ逆戻りして、2本目の逆直線の始点とし、再び終点計算を繰り返す。これらの始点と終点を結ぶ直線が逆直線である。

 

(4) 逆直線オフセット

ピッチ線と逆直線の交点、そのピッチ線と外板タブシルの交点、この同じピッチ線上の2交点間の距離が逆直線オフセット寸法:aiである。

 

この[画面4.1.1 P-LONGLシステムメニュー]の1「ロンジ・トランスフレーム展開」での処理は、[画面4.2.1 フレーム展開結果]のように確認される。

ロンジの材料寸法:スカントリングは、基本データのロンジ情報ファイルに準備収納されているが、トランスフレームでは区画範囲でまとまっているので、都度の入力になっている。

 

 

 

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