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清掃工場の処理能力は600トン/日で、台船は鋼製浮体である。設置場所の候補にあがったのは中央防波堤外側埋立処分場の東側海域で、アクセスは架橋方式である。これが実現すれば、他の地域でも更なる需要が期待できるが、様々な問題から実現には至っておらず、今後の動静が注目される。

 

(3) 港湾荷役機器の開発

 

公募プロジェクトで提案された「海上荷役システム」(副題:海上トレーラーによるシャトル荷役・物流システム)は、都市型港湾施設周辺の交通渋滞緩和を主眼に、大型貨物船(特にコンテナ船)の荷役方法として従来からある岸壁荷役、 艀荷役、ラッシュ船による方法などの各々の長所を生かした荷役方式として、以下のものを提案している。(図4-1-6参照)

○大型船の接岸が可能な浮体式荷役設備

○陸上のトレーラーと同様に、機関部分と貨物部分の分離・着脱が可能な小型の海上輸送手段

○港湾周辺の地域に分散配置し、前記の輸送手段と陸上の受け渡しを行う衛星荷役基地

前出の「低公害型高速船」と組み合わせると、海域のみならず河川を含めた広域の物流システムの構築が可能である。その際、前述の河川舟運から陸上輸送への積み替え時間の短縮手段として、作業効率は若干落ちるものの河川船着場での簡易コンテナクレーンの開発が望まれる。

 

(4) 親水空間レジャーシステムの開発

 

レジャーについては、公募プロジェクトでも複数の提案があり、本調査で実施したアンケートにおいても海上別荘や海上オートキャンプなどの提案があった。しかし、本分野は主として民間がアイデアを競い、自らが主体的に新たな技術・製品を開発して需要開拓を行う性格のものであるため、事業者自らの努力に期待する。

ただし、レジャーシステムを実現するための場の提供という意味で、例えば、近年貯木場の利用率が減じていることから、これを有効に活用するための利用調整を行うなど、レジャーシステムのインフラともいえる空間整備は、今後検討すべき課題であると考えられる。

 

(5) モーダルシフト関連事業の検討

 

モーダルシフトは政府の総合物流政策の焦点となっている重要な政策である。その関連事業については、本項の(1)〜(3)で十分に検討していることから、それらの内容を参照されたい。

なお、参考として東京近郊の河川・道路図(建設省関東地方建設局)を図4-3-7に示す。

 

 

 

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