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表4-1-6 修繕種類別の修繕実績

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1隻当たりの金額では、検査で1千万円を越えている。表4-1-5で見ると、貨物船は入渠で6,832千円、上架で4,966千円となっているが、平均船型は各々476.3総トン、182.1総トンにすぎない。これだけを見ると、瀬戸内と比べ極めて高い修繕代になっている。

作業船等の入渠21,644千円、上架10,264千円は、その船型からみて更に高く、それ自体は造船事業所にとって経営上悪いことではないが、貨物船の一部船主を除いては修繕価格の厳しさを理解していないのではないかと思われる金額である。

言い方を換えれば、一般内航船と比べ船主経済にまだゆとりがあるともいえ、今後船主経済の逼迫につれて修繕価格が下がっていくことを十分念頭に入れておく必要がある。

漁船は、船主支給がかなりあることを考えると、妥当なものである。

一般工事では、貨物船の入渠2,539千円、上架1,800千円は瀬戸内並みと考えて良い。作業船等は入渠8,165千円、上架4,474千円と高く、船型や日数などから見てもその内容は判断できない。漁船は、入渠17,429千円が上架2,894千円と比べて高いが、遠洋と近海の差からくるものと考えるべきであろう。

このように、作業船等の高価格が関東地区、特に東京湾内の造船事業所の収益状況を支えており、これが瀬戸内地区と大きな差となっている。

 

c. 工事種別

 

表4-1-7は入渠、上架の別に全修繕種類をまとめたものである。平均船型では、入渠船が上架船を2倍乃至それ以上上回るが、船型の違いだけ工事日数も多い。しかし、入渠船の平均が500総トン以下というのは規模が小さく、より大型船の入渠を増やすことが必要である。

1日当りの金額を見ると、10年度では入渠船の方が低く、この2年間を通してでは、1日当りで売上高がそう違わない状況にある。これは、修繕種類を問わず、1日の工事量が均等化されていることを意味するが、入渠船の方が売上効率的に低いのは問題であろう。

 

 

 

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