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1) 登録スペシャリストの構成

 

基本的には、産官学の協力に基づく3者のバランスのとれた構成を目指す。

 

1]企業サイド

本調査で実施したアンケートでは、ユーザーとなる中小事業者から、スペシャリスト登録の条件として、中小事業者の企業実態を良く理解している人材を選任すること、が多く指摘されている。

したがって、登録されるスペシャリストに対しては、関東地区の中小造船・舶用工業の実態をより深く把握できるよう情報交流を活発にしていくことが望ましい。具体的には、造船・舶用工業のOBとして、大手・中小事業者を対象として、その中から設計部門や工務部門、また経営部門で実績のある人材を優先的に登録していく。

ただし、関連業界以外で有用な技術を持った異業種業界の人材にも門戸を開放し、その技術から新しい海洋産業の分野を開拓していくことも重要である。

なお、登録されるOBについては、技術指導などへの対価を求める人材と対価を求めない人材がそれぞれ存在するものと考えられる。これに対しては、いずれも選択できるようなシステムとし、どちらの人材を選択するかはユーザーである中小事業者の判断に任せることとする。

 

2]行政サイド

行政側からは、国の行政官や検査官、地方自治体で中小企業の指導に長じた人材、また国立研究所において造船・舶用工業の技術に通じた人材に参加を求める。

 

3]大学サイド

大学側からは、教授・講師・研究者の参加を求め、将来の海洋産業を支える技術の芽を育てるための指導を受けることを主な目的とする。

 

2) 登録スペシャリストの業務

 

登録されたスペシャリストは、会員規約を遵守することの他に、ホームページに開設する中小事業者からの相談コーナーを必ず閲覧することを義務とし(例えば1日3回、あるいは1時間間隔など)、自らの得意分野における問題解決に対して積極的に協力することを促す。

また、技術の伝承、後継者の育成、若年層の育成などを目的としてセンター事務局が呼びかける講演会や講習会などへの協力も依頼する。

更に、将来的にはホームページ上で公開する文献情報の体系的整理、技術のデータベース構築にも協力を依頼する。

その他、希望があれば事務局に参加してもらい、登録スペシャリスト、特に企業OBの参加に係る調整を行うことにも協力してもらうことを考える。

 

 

 

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