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4) 集約化のコストパフォーマンス

 

例えば、既存の3社が合併しただけでは何の意味もない。コストがかなり下がる、能率が飛躍的に高まるなどが必要である。

ここでは、集約化のコストパフォーマンスについて検討した。

コストパフォーマンスの程度によって、1]最高のもので絶対的なもの、2]船価に対して利益が得られるもの、3]競争相手に勝てれば良い程度のもの、などが考えられる。また、時期によってこれらがほぼ同じ程度になることもある。現在では、1]には相当な投資がいるが、2]と3]はほとんど同じレベルと考えて良い。

土地に関しては、1]既存の土地か、2]新しい土地かという問題がある。前者は安くつくが、スペース、形状などによっては中途半端になりそれほど効果が上がらないこともあり得る。後者は旧来のマイナス面、弱点を一新できるが、コストがかさむのが普通である。

雨天作業場が必要なのか、その効果として何を求めるのか、使用する板のサイズはどうするのか、部材の整理はできるのか、クレーン能力と基数はどうするのか、などコストと能率を考える上で考慮する点は極めて多い。

これらは、当事者が真剣に検討した上で、専門家の意見を聞いて判断する以外ないが、一般的には能率は上がるものの、償却、利息、管理者人件費などで当初2〜3年はコストが高くつくのが普通である。要は、受注に見合った最適な設備を投資できるか、その設備を十二分に利用できるかにかかっている。

 

5) 損益分岐点に見る合理化の要点

 

10年度の5社のデータによって損益分岐点を算出した結果が表4-1-16である。

 

表4-1-16 損益分岐点

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損益ゼロとなる売上高、すなわち損益分岐点は5,274百万円で、実際売上高の111.3%になっている。これは、売上が11.2%足りなかったためにそれだけの損失を出したということである。

 

 

 

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