社内工の30歳以下には、仕上14人、鉄工4人、その他6人などがおり、若手不在の状況ではない。しかし、全体では社内工、社外工あわせて10%程度しかいない。修繕の主要な職種である鉄工、仕上の割合を見ると、51才以上で社内工63%、社外工76.9%(上表参照)、仕上でも社内工30%、社外工53.8%、合計ではそれぞれ49.6%、62.9%を占めており、平均年齢とは別に部分的、職種的には高齢化が著しい。この点は瀬戸内地区も同様の傾向で、仕上に次いで鉄工の若手不足が顕在化している(新造船では鉄工、曲げ、撓鉄)。特に、61才以上の社外工が多いことは、造船事業所が益々機動的に動くことが難しくなっていることを示していると言える。
5) 管理状況
1] 修理期間
10年度の船種別工事日数は前掲の表4-1-5のとおりである。貨物船の検査工事は、入渠で6.64日、上架で7.32日かかっている。上架対象船は小型船が多く、受入体制も整っていないため7〜8日かかるのは普通であるが、入渠の場合は力のある造船事業所が多いため、ドック内2〜3日、岸壁2〜3日、延5日が一般的な工事期間である。一般工事は入渠5.41日、上架4.24日となっているが、金額の大きさから見ても入渠で1.5日、上架で1日短縮することが管理の目安となる。
作業船等の検査工事は、入渠で21.0日、上架で10.65日と倍の長さになっている。一般工事では、入渠で20.45日、上架で5.98日と3倍以上の開きがある。入渠船の方が船型的に大きく、船種、装備などが全く違うためとも考えられるが、理解し難い。これだけの日数になれば、余程受注条件が良くなければ採算割れになろう。
漁船では、入渠は検査、一般工事とも20日を越えている。また、修理金額もそれ程変わらない。