日本財団 図書館


また、高齢者が増えているが、作業台を高くして屈んで作業することを減らすという対策も特にとられていない。工作機械類も数はあるが使えない、または年に数回程度以下より使わないものがほとんどで、いたずらに場所を取り、汚くしているだけの印象が残る。これらの設備は早急に廃棄処分にし、外注利用、またはお互いに利用し合う方が効率はよい。

都市型造船事業所がどのようなものを指すかは別として、未だに労働環境の悪いイメージがそのまま残っているところもあるので、これらの考え方を変えていかないと進歩は望めないであろう。

 

4) 従業員の状況

 

1] 従業員数

 

10年度における従業員は460人で、その内訳は、職員105人(22.9%)、現業員136人(29.5%)、社外工219人(47.6%)となっている。1社平均で見ると、作業員59.2人に対し、職員17.6人となり、職員の割合は極めて高いものになる。直間比なり、職員の割合は規模が大きくなるにつれて高くなるのが普通であるが、全体で70〜80人の規模であれば15%、即ち10〜12人程度で十分管理できる。

また、関東地区の人員構成上の特徴は、建造造船事業所にも特に設計専業者を置いていないことである。仕事に繁閑がありすぎること、同型船(引き船は2船型のみ)だけであることなどから、設計としての固有の仕事量が少ないので兼業の形態をとっている。

しかし、これでは他の船種への対応などは思いもよらない。新造船専業はもちろん、主にしているところは生産の第一段階であり、コスト引き下げ及び新船型開発を担っている設計の質的強化を図っていることからみると、専業者不在で競争に勝つことは難しい。

 

表4-1-9 従業員の状況

069-1.gif

 

2] 作業時間

 

10年度には新造船が増えたため、現場作業時間は前年度比で27千時間増え661千時間となった。その間、社内工、社外工ともに減少しているため、社外工の作業時間を増やして対応している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION