しかし、10年度では2,602百万円で約15%減少し、その割合も65.1%に低下しており、隻数も633隻となり90隻の減少となった。
次いで金額的に大きいのは漁船であるが、2社だけとはいえ9年度でも63隻、1,222百万円に過ぎず、割合でも27.4%に止まる。金額では、1年おきに12億円台と10億円台を繰り返していたが、11年度からは減船の影響で更に売上減に向かうであろう。
貨物船は3億5千万円を大きく超える年度はなく、その割合も9%弱に過ぎず、湾内造船事業者の収益源になるまでは成長していない。
b. 修繕種類別
船種を問わずに修繕種類別にみた修繕の状況は、表4-1-6のとおりである。隻数では、10年度及び11年度上期とも、一般工事の方が検査より2.5倍以上多くなっている。これを表4-1-4でみると10年度の作業船等で検査83隻に対し、一般工事270隻と極端に検査工事が少なくなっている。
これは、一般工事は中小造船事業所に発注するが、検査などの重要な工事ではより規模が大きい事業所に発注することなどが原因として考えられる。金額では、10年度は隻数もさることながら平均金額が高いために、一般工事が1,912百万円と検査工事の金額を上回っている。通常は、地域的に集計した場合、隻数的には両工事がほぼ拮抗し、金額では検査工事が倍以上上回ることが多いが、今回の調査では意外な結果となった。