2] 修繕船
修繕船売上高は7年度4,437百万円が、8年度には0.7%増加して4,468百万円となったが、これをピークとして9年度は0.4%減少して4,448百万円となり、10年度では更に10.2%下がり3,996百万円となった。11年度上期では、4社のデータであるが1,457百万円にすぎず、官公庁船、漁船修繕が下期に多いということがあるにせよ、通期では5〜8%程度の減少は避けられないのではないかと思われる。
この減少傾向は、内航船の修繕の現状から見ると極めて緩やかなものである。瀬戸内地区などでは既に7年度でピークに達したところも多く、以後、10年度までで売上高は25〜35%の減少をしている。一部には、修繕隻数が横這いを保っているところもあるが、多くは隻数減、価格低下、売上減少となっている。
関東地区では、隻数が7年度730隻であったのが、10年度には633隻となり約100隻減少している。その反面、総トン数では7年度128,470総トンが、8年度には134,732総トン数に増加しており、10年度にかけてわずかずつ減ってはいるものの、131,364総トン数に止まっている。これは平均トン数のアップによるものだが、それでも10年度で207.5総トンにすぎない。
2) 修繕売上の分析
1] 船主の分析
表4-1-3は修繕船の船主所在地を調べたものであるが、10年度についてみると、貨物船系では、397隻中343隻が東京都をはじめ湾内に所属する船で、86.4%を占めている。他地区からの船の修繕を意識的に増やしている造船事業所もあるが、全体からみるとまだ13%強にすぎない。湾内以外から受注を得ている造船事業所は例外的なものを除いて2社のみである。
注)浮修理は含まない
同一年に2回以上修理した場合も1回(1隻)として計算してある
湾内に依存しているということは平水船、または主として湾内でのみ操業する船が多いということを意味するが、それが前述の平均トン数が200総トン足らずということにつながっている。
内航船は内航総連合によって過剰船腹の買上げ・減船を行っており、今後増えることは考えられない。また、引き船にしてもパイロットを必要とする船が今後減っていくことは間違いなく、全体として修繕の需要が減る確率は高い。