2) 修繕
関東地区所有者の91%が、ほとんど関東地区で定期的な整備を行っているが、西日本内航所有者は、海難等突発的な場合を除き、関東地区中小造船事業所を利用することはほとんどない。
図2-1-47 関東地区船舶所有者の修繕時における関東地区造船事業所の利用状況
図2-1-48 西日本内航所有者の修繕時における関東地区造船事業所の利用状況
(3) 船舶所有者から見た関東地区中小造船事業所の技術レベル
関東地区所有者の関東地区中小造船事業所の技術レベルについての評価は、普通若しくは高いという所有者が63%を占めており、地元のニーズに対する技術レベルは、維持されていると言える。
また、わからないという意見が32%を占めているが、他地区の中小造船事業所を利用していないことから、比較が出来ないためであると考えられる。
西日本内航所有者は、わからないという意見が68%を占めているのは、関東地区中小造船事業所をほとんど利用していないためであると考えられる。
図2-1-49 関東地区船舶所有者から見た関東地区造船事業所の技術レベル
図2-1-50 西日本内航所有者から見た関東地区造船事業所の技術レベル
(4) 船舶所有者から見た関東地区中小造船業の課題
西日本内航所有者は関東地区で修繕を行わない大きな理由として、価格、地元造船事業所との長年の付き合いなどと答えている。また、その他の理由で注目されるのは、ドック期間が長すぎるという意見である。これに関しては、多くの西日本内航所有者から指摘されているが、ほとんど利用することのない船舶所有者からの指摘であり、関東地区中小造船業に対するイメージが定着していると考えられ、営業活動を含めたPR活動が必要であると言える。
これらから、非価格競争力の強化、生産性の向上が大きな課題であると言える。
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