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(3) 技術力

 

1) 技術力の現状

 

中小造船事業所の協力会社、社外工を含めた総合的な技術力についての認識は、事業者の56%が若干の不安を感じつつも概ね問題はないと答えているが、残りの44%が事業の継続すら困難と不安を感じており、今後高齢熟練工の退職などに伴い大きな問題になってくると思われる。

 

2) 社外工への依存度

 

中小造船事業所の、協力会社、社外工に対する依存度は、新造で47%、修繕が37%となっており、具体的な職種では、機関整備、塗装が圧倒的に多く、鉄工、電気、溶接等の順となっている。

また、社外工の雇用形態は、常駐のみが11%、スポットのみが39%、常駐と必要に応じてスポットを使う事業所が50%と半数を占め、その中での常駐とスポットの割合は、概ね半数となっている。

 

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図2-2-33 技術力の認識

 

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図2-2-34 社外工の雇用形態

 

(4) 労務状況

 

表2-2-4 アンケートによる中小造船事業所の労働時間と賃金

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注)所定時間、残業時間、固定給、残業手当は月単位、賞与は年間合計額

年齢は、処遇に関するアンケート結果の集計であるため図2-2-12の平均年齢と一致しない。

 

2) 他地区・他産業との比較(社内工)

 

中小造船事業所の社内工の処遇などについて、首都圏や瀬戸内地区のほぼ同規模の機械金属業及び首都圏サービス業との比較を行った。

中小造船事業所の社内工の就業状況について考察すると、

1]年齢で見た場合、他産業より5〜6才高く、勤続年数も他産業より6〜7年長く熟練度が高いものの、高齢化が大きな問題である。

2]所定内時間数は、首都圏サービス業の水準に近く、残業時間も他産業と大差はないことから、比較的恵まれた就労条件である。

 

 

 

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