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(2) 設備投資

 

1) 投資額

 

中小造船事業所の造修設備は、老朽化が進んでいるものが多く、今後の事業継続を考えた場合、設備投資による近代化・省力化が不可欠と考えられるが、平成9年における設備投資は、土地、事務所等が8件で平均金額が約2千万円、機械・設備関係は18件で、平均金額が約3百万円程度となっている。

 

2) 生産面から考えた造修設備の現状認識

 

関東地区と西日本中小造船事業所の造修設備について、生産面から考えた比較では、62%の事業者が、概ね同レベルであると答えているが、35%の事業者は、大幅に改善を要すると答えており、造修設備の近代化37%、敷地、船台等の拡張26%、人件費削減のための省力化設備の導入21%、クレーン能力の強化11%、全天候型上屋の確保5%などに改善の必要性があると認識している。

 

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図2-2-29 西日本地区との生産性の比較

 

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図2-2-30 設備投資により改善が必要な設備等

 

3) 今後の設備投資の方向性

 

今後、積極的に設備投資を行っていくと答えている中小造船事業者は全くなく、必要に応じて行うと答えている事業者が55%、残りの45%は設備投資を行わないと答えている。

設備投資を積極的に行わない背景には、今後の需要見通しが不透明で、投資効果に不安があると感じている事業者が75%を占めている。また、人材確保が困難とする事業者が14%を占めているが、これは首都圏他産業との共生や、労働環境の悪いイメージを持たれた造船業における人材確保の困難さがうかがえる。

 

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図2-2-31 今後の設備投資

 

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図2-2-32 設備投資を行わない理由

 

 

 

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