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(2) 大手・中手造船業の現状

 

大手・中手造船業は、一昨年までの大量受注に支えられ現在のところ比較的活況を呈しているが、低船価や、昨年の受注量が落ち込んだことから今後の収益性は下がることが確実視されている。

また、今後の新造船需要が減少すると予想される一方で、世界の新造船供給能力が拡大傾向にあること、韓国による攻撃的受注による船価低迷が当分続くものと予想されることなど、不透明感が増してきており、経営基盤の強化、国際競争力の強化のための方策が必要となっている。

 

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図2-2-4 全国の新造船工事量等の推移

(運輸省海上技術安全局資料より作成)

 

(3) 中小造船業の現状

 

総トン数10,000トン未満の船舶のみの建造または修繕を行うことができる施設を有する中小造船事業所においては、ターゲットとする中小型船の造修において、長期にわたる景気低迷や、物流構造の変化に伴う内航船の船腹過剰や慢性的な漁船建造需要の低迷等により、工事量が減少し、特に内航貨物船を主として建造している中小造船事業所への影響が大きい。

 

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図2-2-5 建造実績の推移

((財)日本造船工業会「造船統計要覧」より作成)

 

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図2-2-6 売上高と営業利益率の推移

(運輸省海上技術安全局資料より作成)

 

修繕においても、在籍船の減少、規制緩和、海外における整備の増加等により、修繕売上高も減少傾向にあり、国内の中小造船業の経営環境は、非常に厳しいものとなっている。

 

 

 

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