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3) 欧州

 

欧州造船業は、1970年代には、総トン数ベースで約40%のシェアを誇っていたが、現在のシェアは、10%程度まで減少している。

しかし、2000年末までの船価助成制度により、技術的に高度な船舶に対し援助を集中するなど、効率的かつ競争力のある造船業の維持を図るとともに、大型客船、LNG船等の高付加価値船に特化して1998年の全世界のシェア(売上高)は30%を超えている。

 

4) オーストラリア

 

オーストラリアの造船業は、1970年代には高率の政府助成を受け、鋼製の様々な船種を建造していたが国際競争力を有してはいなかった。

近年、高速アルミ旅客船、豪華ヨット、漁船等の小型鋼船に特化し、特に高速アルミ旅客船の分野では高い国際競争力を備え、双胴波浪貫通型カタマランの設計・製造において、高品質、低コストを達成し、世界市場の大きなシェアを占めている。

 

5) シンガポール

 

シンガポールの造船業は、1980年代後半から急激な伸びを示し、1991年には1986年比236%の売上高を記録し、その後も高い水準の売上げを維持している。

修繕船の全世界のシェア(隻数)は約30%を維持しており、1998年には修繕のために2,844万総トン、約2,900隻もの船舶が寄港するなど、立地条件等を十分に生かし、世界の修繕マーケットにおいて一定のシェアを維持している。

 

2-2-2 国内造船業の現状

 

(1) 全国の造船事業所数

 

全国の造船事業所数は、平成11年4月1日現在、1,289(事業者数1,182)あり、この中で、造船法に基づく許可事業所が289事業所、小型船造船業法に基づく登録事業所が730事業所、造船法に基づく届出事業所が270事業所である。

 

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注)許可事業所:総トン数500トン以上または長さ50m以上の鋼船の造修能力を有する事業所

登録事業所:総トン数20トン以上または長さ15m以上の鋼船または木船の造修能力を有する事業所

(1]に該当する事業所を除く)

届出事業所:鋼船または鋼製以外の総トン数20トン以上または長さ15m以上の船舶の造修を行う事業所

(1]、2]に該当する事業所を除く)

図2-2-3 全国の事業所数

(運輸省海上技術安全局資料より作成)

 

 

 

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