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B. 年齢と尿中Na排泄量との関係

図1に年齢と24時間尿中Na排泄量との関係を示す。両群とも高齢になるにつれて尿中Na排泄量が低下するという有意な負の相関を認めた。回帰直線の傾きには両群間に差を認めなかった。

 

アムロジピン投与群

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エナラプリル投与群

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図1. 観察期における尿中Na排泄量と年齢との関係

 

C. 血圧値の変化

投与4週間後の外来血圧は、当日朝の服用をさせずに来院させ測定を行い、降圧効果がもっとも減弱しているトラフ値について検討した。前日の投与後からの時間はアムロジピン投与群26.7±1.5時間、エナラプリル投与群25.9±3.1時間で両群とも同等であった。両薬剤とも投与4週後の血圧値は低下させたが、群間で比較するとアムロジピン投与群の方がエナラプリル投与群よりも収縮期、拡張期血圧ともに有意に低下させていた(図2)。

また、投与4週間後の外来血圧が140/90mmHg未満または平均血圧107mmHg未満を血圧正常化例とすると、アムロジピン投与群は47例中32例が血圧が正常化したのに対し、エナラプリル投与群では37例中16例のみで、アムロジピン投与群の方がエナラプリル投与群よりも有意に血圧正常化率が高かった(カイ二乗検定、p=0.022)。脈拍数には両薬剤とも有意な影響を及ぼさなかった(アムロジピン投与群、73.2±9.6;エナラプリル投与群、72.9±7.3/分)。

 

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図2. アムロジピンまたはエナラプリル投与4週間後の血圧値の変化

 

 

 

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