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擬似衛星のアルマナック

 

有効な擬似衛星アルマナック・データは現在まで組み込まれていない。擬似衛星データ・メッセージのアルマナック・サブフレームは、PLGR擬似衛星ソフトウェアでは現在利用されていない。既存のGPSアルマナック・サブフレーム定義を小変更する案が考えられた。擬似衛星についてのアルマナック・データは、GPS衛星データについて現在放送されているのと同じように放送される。しかし、擬似衛星の緯度が±60゜以内の場合には軌道傾斜角が60゜に設定される(DELTA I=0)。DELTA Iの最大値は12.5゜であり、このときには擬似衛星の緯度が±72.5゜であることを示す。72.5゜の制約を超えると、有効な擬似衛星アルマナックを記述することができず、擬似衛星エフェメリス・データのみが放送される。この方法により現在の擬似衛星放送の中でアルマナック・データを提供することができる。

 

もう1つの方法は第2のPCSGチャンネルで独自の擬似衛星アルマナック・データを提供することである。各擬似衛星は航法(エフェメリス)信号と同じPRNコードでアルマナックを放送することができる。アルマナック信号はP(Y)コードのみでありある定時問(例えば60分)遅延される。受信機が擬似衛星を追尾し始めて時刻を決定すると、固定遅延時間に基いて、遅延したアルマナック・チャンネルを捕捉して追尾し、近傍の他の擬似衛星についてのアルマナックを提供することができる。

 

追加のPRNコード

 

プロトタイプのBNSでGPSのPRNを再利用することが、戦術的擬似衛星を大量に配備する際に現在最大の制約となっている。現在のGPS衛星配置は、擬似衛星が利用することができるPRN番号が減少し続ける傾向を示している。PRN 33〜37は擬似衛星に割り当てられている。擬似衛星用のPRNと未使用の衛星用PRNを利用することにより、一個所で可視の擬似衛星の数は現在9台に制約される。この問題に対して、可能性のある低コストの解決策が提案されている。

 

ターゲット受信機から現在可視でないアクティブなGPS衛星のPRNを再利用することにより、利用可能なPRNを9より増加させることができる。各擬似衛星の送信機はそれぞれの基準受信機を通してGPSアルマナック情報にアクセスして、放送するPRNコードを必要に応じて変更することができる。互いに独立な擬似衛星が別々のPRNを確実に選択できるようにするために再利用アルゴリズムが必要である。この状況を改善する方法の1つは、複数の擬似衛星が同一のPRNを共用することである。追加の擬似衛星はGPSのP(Y)コードに別々の固定量だけ時間を遅延させたP(Y)コード信号を放送することができる。あるPRNで最初にGPSと時刻同期した擬似衛星は、時刻転送を容易にするためにC/Aコードも提供することができる。すべての潜在的ユーザーに対して、時刻同期した擬似衛星が1台可視である必要がある。

 

 

 

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