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BNSの拡張

 

ロックウェル・コリンズ社は国防高等研究計画局(DARPA)との契約により、PLを航空プラットフォームに拡張して航法精度を向上させるための作業を実施中である。

 

DARPAエフェメリス

 

ロックウエル・コリンズ社は機上擬似衛星(APL: Airborne PeudoLite)の実用性を実証するためにプロトタイプAPLシステムを開発している。このプロジェクトによりGPS 50Hzデータ・レートを維持する新しいエフェメリスの組とダウンリンク・データを開発している。新しいエフェメリス・データ構造ではAPLの予測位置の情報を提供する。JDAM受信機及びPLGR受信機での擬似衛星性能を実証するためのプロトタイプ・ソフトウェアを開発中である。APLエフェメリスの設計は無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)での応用を目指したものであり、地上車両、ヘリコプタ及び飛行船などの低運動性プラットフォームでも利用可能である。受信機の改修はソフトウェアのみに限定されている。このシステムの飛行試験は1999年秋に予定しており米陸軍の装備に応用可能である。

 

時刻同期フィードバック

 

航法精度を向上させるために、PL/GPS時刻同期のための新手法(特許出願中)を開発した。これは擬似衛星のRF信号を擬似衛星アンテナ入力にフィードバックすることを特徴としている。基準受信機はGPS衛星に加えて擬似衛星の信号を追尾する。ハードウェア及びケーブルによる遅延を擬似衛星送信機の時刻に先立って測定し、擬似衛星についての擬似距離測定値から差し引いた。基準受信機で測定した擬似衛星残留擬似距離誤差を用いて、擬似衛星のコード位相を希望するGPS時刻基準に近づけるように制御する。閉ループ時刻同期手法は、現在の開ループによる手法より本質的に高精度である。環境及び温度による影響の測定を行い、これらを自動的に補償する。

 

将来の拡張

 

プロトタイプのBNSは、航法援助用としての擬似衛星の実用性を実証することのみを目的として開発された。潜在的な多くの拡張が考えられている。これらについて以下に示す。これらのうちのどれについても開発して量産システムに含めることができる。

 

パルス・ゲーティング・スイッチ

 

ロックウェル・コリンズ社は低速シーケンシャル・パルス化(SSP: Slow Sequential Pulsing)をパルス式擬似衛星の最適な波形として提案している。この波形は、パルス式擬似衛星がオンであるときのみ受信機の追尾ループが擬似衛星の信号を追尾するように最適化される。パルス・ゲーティング機能はソフトウェアのみによる拡張であり、元のIR&D開発計画には含まれていなかった。10%PDCと組み合わせることにより、パルス・ゲーティングがシステムの耐ジャミング性を本報告書の結果よりさらに10dB向上させることが期待される。

 

 

 

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