また、試用システムの装置価格(イニシャルコスト)は、前節において比較対象としたTIS/GWS、多目的放送型データリンクシステム、およびARNAVシステムよりも低い評価値となっている。しかしながら、普及初期段階を想定した本試用システムの価格には、開発費用そのものが大きく効いており、普及段階においてはシステム価格に対する開発費用の割合が小さくなってくることから、普及の度合いによっては比較対象とした他システムと同等またはそれ以下の価格での提供が実現される可能性もある。
開発費用がシステム価格に対して占める割合が小さくなる普及段階において、大きくイニシャルコストに効いてくると考えられるものは機体搭載費用である。小型機への搭載機器の物理的条件についてもARINC等により規格化がなされつつあるが、これらの規格に準拠していくことによって、イニシャルコストの低減が可能となる部分もあると考えられる。