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4.5.2 アプリケーションのあり方

試用システムを用いて実施した飛行評価試験後のヒアリングおよびアンケートにおいて得られた意見より、将来システムにおけるアプリケーション構築にあたって考慮すべき多くの事項が導出されている(4.2.3項参照)。

6軸チャートへのマッピングの結果、試用システムに対してはイベント発生時の自動データ送受信機能を付加することにより、オペレーション負荷に関して比較対象システムと同等の評価を与えることが可能となることがわかる。さらにこれに加え、ヒアリングおよびアンケートの結果から、小型機運航においてパイロットの負荷となりうるものは機上装置の操作だけでなく、機上装置の提供する情報を把握する行為そのものも大きな要素となることがわかる。

試用システムにおいては、メッセージ受信時のチャイム音や近接トラフィック発生時の警報音声によりパイロットの視覚による制約を補助しているが、パイロットと装置との間でいかにしてオペレーション負荷の少ないインタフェースを構築していくかについて更なる検討を行っていく必要がある。

さらに将来においては、収集したデータをタイムリーかつ適切に選別して提供することが可能となるシステムの構築を行っていくことが望まれる。

 

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図4-20 将来におけるアプリケーションのあり方

 

特にトラフィック情報提供アプリケーションについては、「周辺にトラフィックが発生した場合に、その方向に目視の注意を向けることを可能とするためのもの」としてのシステムの実現が、将来の小型機運航に対するトラフィック情報提供アプリケーションの1つの足ががりとなるものであるといえる。さらに将来においては、安全監視・地上からの効果的な運航支援といった高度なサービス提供への発展が期待される。

 

 

 

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