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地上側プラットフォームについては、イニシャルコストおよびランニングコストの抑制のため、共用可能なプラットフォーム(およびアプリケーション)については各利用者がそれぞれ整備するのではなく、共用化を図る必要がある。小型機運航を支援するためのシステム構築にあたっては、データベースの共用と同時にプラットフォームについても必要部分について共用が可能となる仕組み作りを行う必要がある。

 

4.5.4 ネットワークのあり方

ネットワークのあり方を検討するにあたっては、図4-17に示す6軸チャートのうちの提供サービスレベル、適用空域、およびランニングコストの3軸について議論する必要がある。

提供サービスレベルに関しては、試用システムにおいては利用している通信媒体であるVHF-ACARSの通信性能上の問題から、管制通信としての利用が困難7であるとともに、リアルタイム性が要求される情報提供についても実現は困難である。

小型機運航地上支援システムが、あくまで情報提供・運航管理を目的として構築されるとした場合、管制通信が可能となるサービスレベルは要求されないものの、必要に応じてリアルタイム性の高い情報提供を行っていくことが可能なものとすることが望ましい。TIS/GWSにおいては、これをモードS通信で実現し、多目的放送型データリンクにおいてはUATによるハイブリッドTDMAと放送型データリンクの組み合わせによりこれを実現している。またARNAVシステムにおいても独自のプロトコルを用いたビット指向で、放送・アドレス指定混在型のTDMA方式を採用することにより、リアルタイム性の確保を実現している。試用システムにおいても、今後通信媒体としてVDL、モードS、DATA-3等を利用していくことにより、ある程度のリアルタイム性確保が可能となっていくものと考えられるが、可能な部分に対しては放送型データリンクを適用することによって、通信トラフィックを抑えることが可能となり、さらなるリアルタイム性の向上が期待される。

 

7洋上空域のような低交通密度空域における低頻度での通信を前提とした管制通信は可能。

 

 

 

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