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小型機運航において必要となる情報は、これらVFR運航に対してのみ必要となる情報を含め、多岐に亘っていることがわかる。将来システムにおいては、これらの情報を必要に応じてアクセスできるようなコンテンツ提供を可能とする必要があると考えられる。

 

(b)出発・到着通報

出発・到着通報については、スポットインアウトの時刻も必要となるとの意見が得られている。しかしながら、現状では小型機に対するスポットインアウト検知のためのセンサー装備はコスト面で困難であること、小型機運航の特性から、大型機のセンサーとは異なるものを搭載する必要があることから、将来においてこれらの問題が解消されたのち、スポットインアウト情報の送受信について検討していくこととなると考えられる。

 

(C)マップ・その他

マップに対しては、空港・航行援助施設等の表示が必要という意見が得られたほか、小型機特有の情報として、山間部の送電線位置情報の必要性が挙げられている。また、その他必要な情報として、NOTAM等の航空情報や空港の略図等の要望が挙げられている。

これらの各情報については、リアルタイム性が要求されないため、基本的にはデータリンクによって伝送する必要はないと考えられるが、地上側・機上側で容易にこれらの情報を更新し、参照することが可能となるようなシステムの構築が必要となると考えられる。ただしNOTAM等航空情報については、場合によってはある程度のリアルタイム性が要求されることから、地上側システムはある程度リアルタイム性を確保してNOTAM等航空情報の入手を可能とするとともに、機上システムに対しては飛行前(場合によっては飛行中)に容易にデータの更新を行うことが可能となるよう考慮する必要がある。

 

(2)コンテンツの鮮度・精度

 

(a)気象情報

気象情報については、試作対象とした気象レーダーエコー強度の更新時間間隔に関して特に問題があるとの意見は得られなかったが、雷雲等の情報が入手可能であれば、その更新時間間隔はさらに短くすべきであるといった意見や、気象状況が急変した場合にはリアルタイム性のある情報提供が必要であるといった意見が挙げられている。将来において種々のコンテンツを提供可能なシステムを構築する際には、提供するコンテンツに要求される鮮度・精度について充分に検討を行った上で更新周期等を決定していく必要があるが、これらについては通信性能に依存する部分もあるため、4.3節において詳細検討を行う。

 

 

 

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