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4. おわりに

 

今年度は、昨年度開発したGPS補強システム用機上受信機についての評価試験を実施した。受信機開発に当たっては事実上国際標準として使用されている米国の補強システム用受信機の技術基準によった。

電子航法研究所のGNSS試験システムやWAAS衛星から発射されている電波の信号受信による地上評価試験及び飛行試験を通じ、受信機の技術基準内容の各部に関する検証と静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)の性能の基本的な確認等、本研究が目的とした受信機技術の基本事項に関する成果を得ることができた。

本事業に実施により、我が国独自にSBAS受信機の開発試作に成功したことは、我が国におけるGPS及びSBAS技術が成熟していることを示すものであり、また、受信機の技術標準の有効性を示すものである。更に、開発中のSBAS信号を用いた性能確認は、SBASの性能を独立して客観的に示すものとして、有意義な成果であり、また、今後のSBASのサービスの可能性を示すものとして評価される。しかしながら、本年度予定されていたMTSATの配備が延期されたことにより、MSASの試験電波による総合の受信評価には至らなかったことは残念であり、MSAS整備後、受信評価が実施されることが望まれる。

最後に、本事業の成果を基礎に、今後、SBASを初めとするGNSSに関する技術開発が更に進展し、航空におけるGNSSの利用が拡大していくことを期待している。

 

 

 

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