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2.3.6 試験結果の考察

1) 日本で得られるPORのサービス

・補正情報が得られるGPS衛星数及び衛星位置

PORの補正情報は、米国の地上局で受信されたGPS衛星についてのみ補正情報のサービスを行っている。試験結果のデータに測位に使用した衛星数を示したが8〜9個の可視衛星に対しPORのサービスが得られる衛星は4〜6個であり衛星位置はほぼ北東領域にかたよっている。

・電離層伝搬、対流圏伝搬補正情報

電離層伝搬、対流圏伝搬補正情報は米国本土付近のみがサービスされており、日本近辺のサービスはない。

今回の試験ではGPS衛星からの補正情報を使用した。

・オーバレイ情報(測距情報)

第1回飛行試験は試験放送の初期段階であり、PORからの測距情報は得られなかった。第2回飛行試験では全ての期間、測距情報を利用することができた。

・WAASメッセージの処理

PORは試験放送中であり、MOPSに規定されるメッセージ0は放送されていた。(実際にはメッセージ2がメッセージ0にアサインされていた。)

 

2) 測位精度及びプロテクションレベル

前項でGPS単独測位、WAAS測位による誤差を示した。

それぞれの測位については衛星数、衛星配置など測位条件は異なる。

PORは試験放送中であり定量的な精度評価は運用開始後実施することが適切と考えるが、今回の飛行試験結果からもPORによるWAAS測位精度は大幅に向上している結果が得られた。

 

誤差とHPL、VPLを併記し示したが2月3日の測位結果で誤差がプロテクションレベルを超える部分いわゆるMisleading Information(MI)状態となった部分が認められる。(04:20:00付近)

収録したデータの解析の結果POR自身のUDREIの値とType9で提供されたURAの値の間の矛盾があり、大きい誤差を含むPOR擬似距離情報を測位に使用したことが原因であること判明した。

PORからUDREIは、使用可能な値を送ってきているが、URAは15であった。(POR試験放送中の特殊な事象で運用開始後はこのような状況は発生しないことは推測される)URAは0から15までの値を取り、数値に換算できる擬似距離の誤差を表す指標であるが、MOPS(DO-229A)では15のみ特別な意味を持たしている。N=15 will indicate the absence of an accuracy prediction and will advise the SPS user to use that satellite at the user's own risk.となっている。MOPS要求の誤差管理にはGEO衛星のAccuracy(URA)は含まれていない。

 

 

 

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