(2) 検討結果
図5.2.11-12から、モード3のデータスループットは、モード2のおおよそ50%程度となっていることが分かる。また、150バイト以下では、約40%程度にとどまっており、物理層における単純比較では、モード2より劣っていることが分かる。これは、メッセージフォーマットから以下のことが原因である。
(a) TDMA伝送方式である。
TDMA送信であり、更に200NMまでの覆域を確保しなければならないため、伝搬ガードタイムが必要である。
(b) 管理されたデータ伝送
データ送信には先に述べたように、あらかじめ予約要求など行い、通信許可を受け送信する必要がある。このため管理バーストと呼ばれるMバースト分のデータ容量が低下する。
(c) エラー訂正符号の強化
モード3のエラー訂正には、GOLAY符号とリードソロモン符号があり、V/Dバーストのヘッダには、(12,24)のGOLAY符号、ユーザデータには、(62,72)のリードソロモン符号が使用されているため実際に使用できるデータが少ない。
但し、これらは全て、データ伝送の到達性を高く保証するものとなっている。