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この周波数帯は、12番目、または13番目のいずれかの高調波によりVDLのスペクトルに関連していた。研究所及び航空機内では、DSB-AMからGPSへの妨害が観測されていた。GNSS受信機の妨害スレッショルドは、妨害信号の帯域幅に応じて約-162.5dBw/MHz〜-152.5dBw/MHzの間で変動した。そこで、民間航空運用向けに第二のGPS周波数が求められることになった。それは、1176MHz±約10MHzの範囲内である可能性が最も高い。ただし、その妨害耐性は確立しなければならなかった。この問題は、VDL RFスペクトル・マスクそれ自体には直接関係がなかったものの、会議では、DSB-AM又はVDLのいずれかである装置を送信するVHFアビオニクスに対しスプリアス放射の制限を設けて、航空機上のGNSS受信をそれらの送信から保護する必要があることを考慮するようICAOに要求することに同意した。

 

2.1.8.6 地上側補強システム(GBAS)は、108〜118MHz帯域内で地上側送信を使用していること、並びにVDLモード2のシステムと同じチャネル化及び変調の方式を利用すると考えられていることが報告された。

 

2.1.8.7 会議では、GBASが、VDLアビオニクスも設置されている航空機上の受信機を使用していたことに注目した。VHFデータブロードキャスト(VDB)には、同一航空機上での機上VDL送信及び近接する航空機からの妨害が生ずる可能性が指摘された。なぜなら、VDBは機上送信を採用しておらず、VDL受信機に対する妨害の可能性は地上滑走等のような地上のシナリオに限られていたからである。しかし、飛行中の航空機上におけるVDB受信機に対する妨害発生の可能性は、方法に関してはVDLのVDL妨害に対するそれと同じでも、程度には差があった。妨害を緩和する状況には、次の二つがあると判明した。すなわち、一つは、VDBが118MHz未満の隣接周波数サブバンドを使用しているため、妨害が118MHz帯エッジ近辺のVDLチャネルからのものに限られ、一定周波数を超えるVDLチャネルは重大な妨害の可能性を持たないばかりか、バンドエッジの近くにないVDBチャネルに対する重大な妨害の可能性もないといった状況である。妨害を防ぐために必要なVDL及びVDB間の正確なチャネル間隔は、まだ決定されていなかったのである。もう一つの緩和要因は、アンテナの分極であった。水平方向に分極したVDBアンテナは、垂直方向に分極したVDL送信から10dB〜30dBの間での隔離を達成できると推定された。

 

2.1.8.8 会議では、VDBの最低所望信号レベルが-78dBmであることを承認し、また、予備試験の結果は、75kHz分離したチャネルについてはVDB対VDB D/Uが約-45dBであることが報告された。

 

 

 

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