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2.1.4.2.2.1 VDL無線のスペクトル・マスクの改良は、同一サイト妨害を完全には除去せず、ただ低減するためにのみ役立つと期待され、機上の互換性にとって重要な多くの付加的パラメータの中でも唯一無二のものであった。機上互換性を更に高めるよう補助するこれらの付加的パラメータは、アビオニクスシステムの設計者、機体のインテグレータ及び航空機関の認可活動により取扱われることになった。同パネル討論が提案したものを更に上回るスペクトル・マスクの改良は、同一サイト妨害の可能性を排除する役には立たないだろうというのがAMCPの意見であった。

 

2.1.4.2.2.2 RTCA(SC172)によって完成され、航空機製造業界が確認した諸研究を検討した結果、会議では、アビオニクス及び機体の製造業者が関与する同システムの統合活動が、いかなる有害な妨害も排除するものと期待されていることに注目した。会議では、RTCA及び欧州民間航空電子装置機関(EUROCAE)が、更に必要となる統合の標準及び要件の作成に参加するとの確約を得た。

 

2.1.4.2.2.3 その他の緩和要因として、例えば、VDL用に割当てられた周波数間の十分な分離を保証したり、VDL送信のデューティ・サイクルを減らしたりといった周波数管理技法の使用も導入し得ると認められた。ただし、このような方法は、VDLモード2システムをVHFに取入れたことで得られる効率を低下させるおそれがあることが指摘された。すべての航空安全サービスヘの適切な保護を確保するためには、VDLモード2システムの発展を考慮した優れた統合設計が必要になる、というのがAMCPの見解である。

 

2.1.5 妨害耐性性能

 

2.1.5.1 VDL

 

2.1.5.1.1 受信機のダイナミック・レンジが制限されているため、望んでいない強度の信号がある場合はその信号のRFスペクトル・マスク特性に関わらず、所望の信号の受信に脅威を与えるおそれがあることが報告された。それゆえ、VDL RFスペクトル・マスクに基づいたVDL割当ての計画作成も、被害を受ける可能性のある受信機が、運用環境下で遭遇することになる望まない信号の最高のフィールド強度にももちこたえられる場合にのみ実現可能である。この点で、RFマスクに関するVDL SARPsは、提案されたRFマスクの変更という見地からみて不十分であることが判明し、その結果、VDL受信機能の改善された強度信号レベル動作に対する提案が作成された。

 

 

 

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