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2.1.4.1.1 会議では、同一航空機上の二つの送信機及び受信機により作動する二つの周波数でのVHF DSB-AM音声の同時運用(同一サイト運用)が、一つの周波数を使用して(送信側)地上局からの低レベル無線周波数信号を受信することができる一方で、もう一つの周波数が航空機からの高レベル無線周波数信号レベルを送信するという状況に深く関与していることに注目した。この状況が生じた場合、広範囲のチャネルにわたって潜在的に有害な無線周波数妨害が発生すると予想されることが報告された。(有害な妨害とは、無線航法サービスその他の安全サービスの機能を危うくする、または、ITUの電波規則に従っている無線通信サービスの運用を重大な程度にまで劣化させ、障害となるか若しくは繰返し妨げるような妨害のことである。)

 

2.1.4.1.2 実際には、この種の妨害は通常、操縦士及び副操縦士間の調整により克服されていることが判明した。この状況に伴うある種の困難がいくつか報告され、周波数の変更によって解決をみていることも報告された。

 

2.1.4.1.3 25kHz(又はそれ以上)分離の無線装置の場合、ICAO SARPsには(チャネル帯域幅外部の望ましくない放射のレベルを識別する)、無線周波数スペクトル・マスクも規定されていないことが指摘された。8.33kHzチャネル間隔については、第一隣接チャネルに関する-45dBの隣接チャネル電力のみが確認されている。

 

2.1.4.2 DSB-AM音声及びデータの同時VHFチャネル運用

 

2.1.4.2.1 ACARS

 

同一航空機上でVHF DSB-AM音声及びACARSを同時に運用した結果、ACARS独特の擬似ランダム運用のため、ACARS割当て周波数の両側の帯域上に妨害が発生したと報告された。一般に、ACARSメッセージのデューティ・サイクルは低く持続期間も短いため、この妨害は受入れ可能であることが確認された。

 

2.1.4.2.2 VDLモード2

 

会議では、VDLからの妨害は、モード2及びモード3も同様に、VDLモード2の使用が今日のACARSの使用に比べて増大するにつれ、予想されるメッセージ数が増加することで、更に重大なものとなる可能性があることが報告された。この場合の妨害メカニズムは、上記2.1.4.1.1項で記述したものと同じである。VDLシステムが、同一航空機上で送信と同時にVHF DSB-AM音声信号を受信している場合は、VHF DSB-AM音声システムに有害な妨害が生ずる可能性があることが報告された。

 

 

 

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