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第1節 ネットワーク化の状況

 

1 ネットワーク化の変遷

企業、各種団体における情報ネットワーク・システムは、昭和60年代まで汎用機中心のクローズドな世界から、構内LAN、クライアント・サーバ・システム(以下、CSS)によるネットワーク化の環境へと整備され、平成5〜6年頃より、イントラネット、インターネット等のオープンなネットワークが導入されてきている。更に、新しい技術を搭載した多種多様な製品が普及したことにより、その製品を組み込んだ情報ネットワーク・システムの構築は、今や事業の発展に欠かせない条件として認識されつつある。

ネットワーク化にかかわるIT(Information Technology : 情報技術)の進展は、組織内や外部との多様なシステム環境を有機的にリンクし、より付加価値の高いビジネス活動を可能にしている。組織においてコンピュータのダウンサイジング化が進み、CSSなどによる業務処理の分散化は、エンド・ユーザの役割を大きなものにしており、その傾向は今後も進むと考えられる。

また、電子メールやテレビ会議機能などが安価に利用できる環境が整い、在宅勤務、モバイル・コンピューティングなどの業務形態も珍しくなくなった。

企業では組織内ネットワークのほか、EDI(Electronic Data Interchange)による商取引業務全般においても、ネットワークの活用は大幅に伸びている。特にインターネットを利用したEDIサービスの提供は、組織間ネットワークの活用拡大に大きく影響を与えている。

 

2 インターネットの活用

現在インターネットの利用者は、国内で1000万人を超えたといわれている。そのうち企業では、3000人規模以上の企業で90%がインターネットの導入を済ませ、100人未満の企業でも70%が導入済みであるとの調査結果が公表されている(平成11年度版、インターネット白書)。主な利用形態は、ホームページ(以下、HP)の開設や電子メールなどのほか、EC(Electronic Commerce)やEDIといった電子商取引への利用や、安全で安価な通信手段であるVPN(Virtual Private Network)の利用などがあり年々増えている。

一方、インターネット技術を用いた社内ネットワークとして、イントラネットの導入も進んでおり、3000人規模以上の企業で60%、300人未満の企業でも25%が導入している。

インターネットの利用がもたらすコストダウンは、企業活動にとっては大変な魅力であり、その安全な利用への関心はますます高まるものと思われる。

 

 

 

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