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第1章 情報ネットワーク・システムの動向

 

近年の情報システムは情報技術の発展に伴い、ネットワーク化や情報機器の高機能化が迅速に進展し、新しい情報技術の実用化なども実現するに至り、情報ネットワーク・システムの形態はここ数年で大きく変遷した。オープン化環境と称される多様なベンダが共存できるネットワーク・システムは時代の趨勢となり、このような環境が情報機器やソフトの高機能化、低価格化などの多くのメリットをもたらした。

また、インターネットに代表される外部ネットワークとの接続がもたらす業務サービス形態の拡大は、そのサービスの利用者に、業務の効率化・高付加価値化・利便性の向上など多くのメリットをもたらしている。

一方、物理的に遮断され管理されていたメインフレーム中心の時代と比較すると、ネットワーク化により、新たな情報機器・ソフトが導入された環境においては、それにふさわしい安全性確保の方法をとらなければならないこともまた重要な事実である。

世界中の多くの人々がインターネットを利用する機会が増加している昨今、コンピュータ・ウイルスや不正アクセスなどといった脅威が、しばしば大きくマスコミで取り上げられているが、ネットワーク化社会における安全性の脆弱さに対する警告には十分に耳を傾けなければならない。更に、オープン化環境が整備されつつある今日、インターネットを利用する際、ネットワークの推進に伴い、安全性の確保に対してどのような脅威が想定され、どのような対策を講じておく必要があるのか検討しておくことは極めて重要なことである。

ここでは、組織における情報システムのネットワーク化、オープン化への変遷や現状を概観し、新しいビジネス形態の動向について整理する。

また、オープン化環境における情報ネットワーク・システムのセキュリティ確保にかかわる一般的な現状についても述べることとする。

 

 

 

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