これからの情報公開制度のもとでの文書管理は、文書管理と情報公開制度を車の両輪として捉えるべきである。文書管理の在り方は、情報公開制度の円滑な運用に対しても著しい影響を及ぼすことが推測される。情報公開制度の円滑な運用を確保するためにもより一層の適正な文書管理が必要になってきている。
他方、別の観点から考えてみると、文書管理は、現在利用している行政文書を適切に処理するということだけではなく、事務処理プロセスやその結果の記録であり、また、「地方自治」に関する歴史的・文化的な事実についての歴史資料ともなるべきものである。これらを後世へ伝えることも地方公共団体の重要な役割の一つであるとの認識を持つことも重要である。
これらの観点から、地方公共団体の文書管理の現状と課題について検討する。