第2節 情報リテラシー向上研修を継続・発展させる仕組み
従来から行ってきた情報化研修については、研修内容の企画や集合研修のスケジュール調整などの事務局的な庶務は、職員研修の担当部署が行い、必要に応じて情報管理主管部門などが支援を行ってきた。
しかし、第4章にみるように、情報リテラシー向上のための研修は集合研修の機会にとどまらない。
現場でパソコンやネットワークを日常的に利用する中で、実際的知識と経験を拡大することが必要である。
また、集合研修の企画についても、定型的なテキストが存在しないものも多くあるため、蓄積された経験の裏付けにより、内容を進化させていくことが不可欠である。
こうした実際的知識や経験は、業務の現場の中で蓄積されていくものであり、研修においても現場の情報化人材の果たす役割は重要であるともいえる。
現在においても、OAリーダー、情報化リーダーなどの名称により、部署ごとにパソコンの操作やソフトウェアの知識及び情報化一般に対する知識などに長じた人材を任命して、一般職員の日常業務中での操作上の疑問などに対応している仕組みがある。
しかし、ネットワーク活用のリーダーについては、操作上の疑問に対応するだけではなく、ネットワークを利用した研修において、積極的に話題を提供することや、メンバー間の話題の流れを調整することなどの中心的役割が期待されている。
また、集合研修においても、ネットワーク活用方法などの研修の企画・実施の支援的役割が期待されるなど、OAリーダーや情報化リーダーよりも大きな役割が求められている。
こうした状況にもかかわらず、ネットワーク活用のリーダーの必要性が庁内で公式に認知されたものになっているとは言いがたい現状である。
このため、現場において情報化・ネットワーク利用を推進するというリーダーの役割を庁内に対して明確に認知させると同時に、情報化研修などを行う職員研修の担当部署や情報管理主管部門などとの役割分担に関する意思疎通を十分に図り、研修の目的や方針などについて共通理解が得られた状態で、集合研修、日常業務中の研修、ネットワーク利用研修の研修全体が実施できるようになることが望まれる。