第4節 埼玉県毛呂山町における情報リテラシー向上策の状況
1 庁内情報化の進展状況
(1)行政情報化の推進経過
毛呂山町が本格的な情報化推進を開始したのは平成6年のこと、早いもので既に6年間の歳月が経過しようとしている。平成6年当時の毛呂山町にはデスクトップ型のパソコンが数台存在しているだけで、パソコンの活用は将来を睨んでのパイロット的な取り組みに過ぎなかった。
当時、パソコンに取り組む職員は、単に毛色の変わった風変わりな職員という受けとめられ方をしていた。それもそのはずで、平成6年以前の状況では、ワープロソフトや表計算ソフトを稼働させるだけの40メガバイト程度のハードディスクを搭載したパソコンですら100万円以上もしていて、表計算ソフトの威力を知らない職員にとって「面倒な操作を繰り返さなければならないパソコンで文書を作るくらいなら、なぜワープロを用いないのか」という疑問の方が先に立っにいた。
しかし、文書作成ソフトから目を転じて、表計算ソフトの威力を体験するとき、その絶大な威力の前に「大変な時代が到来する」という確信を抱かないわけにはいかなかった。と同時に、時代は急速にパソコンのハイスペック化・低価格化の道を進んでいた。
パソコンを縦横に駆使して日常の業務をこなす、それだけで相当の事務の効率化が図れるであろうことは容易に想像された。しかし、通信技術を用いた職員間の情報共有については未知の領域であり、想像することすら困難であった。それでも私たちは、平成8年の暮れには庁舎の電源設備を改修し、LAN環境を敷設する。住民記録及び財務会計のシステムをCSS化することが、そのまま職員間の通信システムの構築にも結び付くと考えていたからである。
(2)システム活用の現在
こうして平成8年度末、毛呂山町の職員は、電子メール、電子掲示板、電子会議室、庁用車予約システム、会議室予約システムなどを体験することになる。そして、それらと並行して健康システムや国民健康保険システム、水道システムや福祉システムなどのCSSが基幹のCSSに合流していった。今日では、イントラネットや統合型地理情報システム、介護保険システムが新たにこれに加わっている。