第3節 宗像市における情報リテラシー向上策の状況
1 行政情報化推進状況と展望
(1)行政情報化の経過と現状
宗像市では、平成7年度に宗像市行政情報化計画を策定し、平成8年度からパソコンの組織的な導入を開始した。同時にLAN構築に取り掛かり、平成9年度の初旬からイントラネットによる全庁OAシステムの運用を開始した。年度末には各出先機関とWAN接続を終えている。全庁OAシステムでは電子掲示板、メール、会議室及び公用車予約、四役部長スケジュールなどを運用している。平成10年度にパソコン一人1台体制となり、EUC(エンド・ユーザ・コンピューティング)を推進する情報基盤が概ね整備された。平成11年度には庁内15か所でダイヤルアップによるインターネット接続を実施したが、全庁的に利用率も上がっており、拡充を求められている。
(2)情報化の将来展望
現在、原課では今まで手作業やホスト・コンピュータで行っていた業務のパソコンシステムヘの移行が進んでいる。また、地図情報、図面管理、契約管理など、複数の部署にまたがるシステムの構築も進みつつある。しかし、それらのほとんどがネットワークを利用したものである。したがって、負荷の増大に対応して、ネットワーク環境の拡張が急務となっている。また、宗像市のイントラネットは外部に公開されておらず、情報提供・収集のツールとして機能していない。セキュリティを整備して情報公開制度を必要としない情報提供が目標である。宗像市の情報化は行政内部の情報化から外部とのネットワーク、そして地域の情報化へと進もうとしている。地域情報化の具体的な施策は明確になっていない。地域のニーズ分析が当面の作業となろう。いずれにしても、推進のポイントはマンパワーである。そしてその育成が重要な鍵となる。
2 現状の情報化研修の実状と課題
(1)宗像市の職員に求められる情報リテラシー
前述のように宗像市の情報化は段階的に進んできた。したがって、職員に求められるリテラシーもその段階ごとに変わってくると考えている。もちろんすべての職員が最初から完壁なリテラシーを身に付けていれば問題はないが、それは現実的ではない。欲を出さずに、該当する職員に対して情報化のレベルに応じた研修を実施していく方が妥当であろう。