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(2)体系的学習を実行する場合の教材開発の負担

WBTは体系付けられたカリキュラムとテキスト、音声、画像・動画などを含んだ複合的な教材から構成されている。

現在のところWBT用の教材は、ソフトウェアの使用方法、情報処理技術者試験対策や英会話などであり、これらを地方公共団体で利用することも十分に考えられる。

しかし、地方公共団体独特の教材となると皆無であり、これを開発しようとした場合には、多大な経費や時間の負担が発生することが考えられ、地方公共団体が単独で実施することは困難だと考えられる。こうした場合には、地方公共団体同士が連携して実施に当たることも考えられよう。

 

(3)ネットワーク・コミュニケーションそのものの障壁

本節の初めにも述べたとおり、対面や手紙などによるコミュニケーションと同様に、ネットワーク上でのコミュニケーションにも、特有の守るべきマナー・ルール、タブーがある。1対1での電子メールのやりとりに関しては、従来の手紙におけるマナーが適用できるが、n対nのやりとりになるメーリングリストや電子会議室となると、手紙のマナー以外にも、わかりやすい表現、誤解を受けない表現に対する配慮は一層必要になるとともに、コミュニケーションの場の公共性が高くなるほど知的財産権などへの配慮も必要になってくる。

こうしたネットワーク・コミュニケーション特有の性質は、基本的な注意点を学び、実際に何度か経験するうちに自然に身に付いていくものである。しかし、様々な文書を作成するのとは異なり、人を相手にしたコミュニケーションを、口でもペンでもなく、キーボードによって行うということそのものに対する心理的な障壁が存在しうることも事実である。これについては、業務の中にネットワークによる連絡を義務付けるような形で、使わざるを得ない状況を創出していく必要があろう。

 

 

 

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