(3)特定プロジェクト・チームでの討論
限定メンバーによる特定プロジェクトなどに関する議論や情報交換を、グループウェアの電子会議室を用いて行うことにより、時間や場所によらない効率的な情報収集・交換が可能になる。なお、電子メールのメーリングリストを用いても同様のことは実現可能であるが、複数の議論が並行して進むような場合、話題の区別をつけにくいという難点がある。
(4)行政実務などをテーマとした部署横断的な問題提起・討論
行政実務などの部署横断的なテーマでオープンな情報交換や情報提供を行う場としてグループウェアの電子会議室を用いることにより、時間や場所によらない効率的な情報収集・交換が可能になる。なお、電子メールのメーリングリストを用いても同様のことは実現可能であるが、複数の議論が並行して進むような場合、話題の区別をつけにくいという難点がある。
(5)特定ソフトウェアに関する技術的研修
パソコンやソフトウェアの操作及びネットワークに関する基礎的知識など、集合研修で習得する時間が取れない職員や、受講してから実際の利用までの時間が長く、受講内容を忘れてしまった職員などに対して、WWW上で段階的に学習できる教材を提供することにより、適時に知識の定着を図ることが可能になる。いわゆるWBTがこれに該当する。
4 地方公共団体で活用するための課題
ネットワークを利用した研修は新しい研修形態であり、これを地方公共団体が活用する上ではいくつかの課題があると考えられる。以下にそれを明らかにする。
(1)「職場ないしは自席での学習」に対する抵抗感
ネットワークを利用した研修は、集合研修とは異なり、職場ないしは自席のパソコンを用いて学習を進めるものである。しかし、現状として、職場は仕事をする場所であり、勉強をする場所ではないという考え方は、地方公共団体にとどまらず社会全般に根強く存在している。
WBTは集合研修の持つ時間制約を補う性質を持つものであり、両者が相まって研修効率の向上を期待することができる。また、ネットワーク・コミュニケーションの研修は、実際に経験しなければ身に付かないものであり、実際の業務の中で発生するコミュニケーションが教材だといえる。
したがって、ネットワーク時代にあって「別の場所で時間を限って行うものだけが研修である」という考え方は払拭されなければならない。