このため、業務中は業務に、研修中は研修にそれぞれ集中して取り組み、ともに効果を上げることが可能である。また、研修内容と研修時間を関連付けて整理し、研修プログラムとして組み立てやすいため、組織的に実施するのに適している。
一方で、研修が行われる時間と空間が限定されていることから、業務が忙しい、研修場所が勤務地から遠いなどの理由で、研修に参加できない人が出てくる場合もある。
3 今後考えられる研修内容
現在、集合研修によって行われている研修内容としては、次のようなものが代表的である。
・特定のソフトウェアや機器の操作についての学習
・情報化一般やセキュリティなどに関する基本的な知識についての学習
・プロジェクト管理などの手法論についての基本的な知識の学習
前述したように、集合研修は体系的・網羅的な操作を習得したり、一般的な原理・原則についての知識を得たりするのに適しており、現在行われている研修内容もそれに沿ったものになっている。
今後は、パソコンやソフトウェアを縦横に活用し、情報を分析・加工して問題点を洗い出し、解決策を導き出すような実践的な学習や、また、その導き出した解決策や過程について、パソコンなどを使い、市民などに明確に説明・説得できるような学習が必要になってくる。
そのためには、現在の講義形式だけでなく、先述したディスカッションやグループ学習及び市民側と行政側、あるいは受託側と発注側などのように異なる立場を演じることによって利害の相違点やコミュニケーションの在り方を学ぶ形式などを採用する必要がある。
すなわち、ネットワーク化の進展とともに、パソコンやネットワークを活用して市民などへの情報発信や的確かつ明確に情報交換できる能力の必要性はこれまで以上に高まっており、講義以外の手法も採り入れて研修を行うことも、今後は十分に意識されなければならない。
また、集合研修における学習内容は、そこで完結させるのではなく、日常の業務の中に知識の適用方法について学ぶ機会を準備するなどして、具体的な状況に即して行う他形態の研修と組み合わせて実施することを前提とすべきであろう。