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第2節 集合研修による情報リテラシー向上策

ここでは、集合研修において情報リテラシーを向上させる方策について整理を行う。

集合研修による情報リテラシー向上策の定義、特徴及び研修内容は次のとおりである。

 

1 定義

集合研修とは、「受講生を、一定の場所に一定時間集めて研修を行うこと」である。

これはOff-JT(Off the Job Training)とも呼ばれ、研修対象者を業務が行われる場所から離し、一か所に集合させて行うものである。この研修形態の性格を最もよく表しているのが学校である。一般に学校においては、関心や能力が均質であると仮定できる同年齢集団に対して、あらかじめ体系化されたカリキュラムに基づく教育が行われている。

地方公共団体における集合研修も同様に、「新人研修」や「管理職研修」などというように、職階や資格、あるいは業務といった、共通の属性を持つ単位ごとに企画・実施される。これは、後述するように、集合研修の効果を最大限に上げるためには、受講者層が均質な関心や能力を持っている必要があるためである。

集合研修における研修は、様々な手法を用いて行うことが可能である。

例えば一つのテーマに対して複数人が共同作業で学習することによって知識の習得とともに分業やコミュニケーションの在り方を学ぶ「グループ学習」、参加者各人の意見を交換することによって説得のための論理の組み立てやプレゼンテーション能力を身に付ける「ディスカッション」などの手法を用いて行う集合研修もある。ただ、これらの手法を用いるためには時間とともにノウハウも必要であり、一般的には講義形式がとられることが多い。講義形式をとる場合には、あらかじめ定められたカリキュラムに沿って研修が行われることが一般的である。

 

2 特徴

集合研修の特徴としては、以下のようなものが挙げられる。

 

(1)固定的な内容を同時に多くの受講者に伝達できる

集合研修は、同一の内容を多数の受講者に効率的に伝達するための手段として発達した。このため、研修内容が固定的であり、受講者が多数にのぼる場合の研修形態として、集合研修は最も適している。

 

 

 

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