(5)職種や適性によりコンピュータになじめない職員への対応
専門職など特定職能の保有者の中で情報化の動機付けが希薄な職員や、適性としてコンピュータというものにどうしてもなじめず、いわゆるコンピュータ・アレルギーを起こす職員が存在する場合がある。こうした職員に対して情報化を指導する際のケアや、コンピュータになじめなかった場合のフォローについて検討しておく必要がある。
(6)再教育の必要性
既に述べたとおり・集合研修で学んだ内容は日常業務の中で実際に使ってみることによって身に付いていくものである。しかし、職員の業務の種類によっては、パソコンを利用する機会が少ない場合もあり、このために一度受講した研修内容を日常業務の中で使う機会がないままに忘れてしまうことがある。
地方公共団体によっては「過去に受講したことのある研修であっても、本人が必要であれば何度でも再受講できる」体制を整えている例もあるが、機材やスペースの制約もあって、再教育の必要性は認めながらも実施に至っていないのが大方の現状である。
(7)受身の研修
全職員必修の集合研修の場合、受講者の中には、自発的な意思によるものではなく、「やらされている」という受身の意識で受講している場合がある。
動機付けがなされない理由には、先に述べた職種や適性の問題、あるいはパソコンの普及率が低いために実際に利用する場面が少ないなども考えられ、必ずしも職員の個人的意欲にだけ起因するものではない。しかし、理由がなんであれ、固定的な期間を設定した集合研修とともに「必要になった時に学ぶことができる」環境を構築することで、動機付けがなされた時点で適時に学ぶという効率的な研修体制をとる必要がある。