(4)研修科目
研修科目については、「初心者向けのパソコン操作」「定型的な文書を作成できる程度のワープロ操作」「四則演算ができる程度の表計算ソフトの操作」が主流である。また、これらを終えた職員に対して、「表組みや図が作成できる程度のワープロ操作」「関数を使って複雑な計算シートが作成できる程度の表計算ソフトの操作」やプレゼンテーション・ソフト、データベース・ソフトの基礎を中級レベルの研修科目として設定している地方公共団体もある。
この他、HTML(Hyper Text Markup Language)編集ソフトを用いてホームページを製作するといった情報発信の基礎研修もある。
更に、先進的な取り組みの中には、職員が委託側と受託側に分かれて模擬的なシステム開発プロジェクトを実行して、委託仕様書の書き方、ユーザ要件などの委託側の意図の伝え方、スケジュール管理、開発工数の見積と実際との乖離及びその評価、仕様変更や技術的難点などの開発工程上のリスクなど、システム開発プロジェクトの要点を経験させている例もある。
また、グループ討論などを通じて実際に有効だと考えられる政策提案を策定させる例もある。
これらはいずれも基礎的な研修で学んだ内容をケース・スタディによって深めている例といえる。
(5)研修手法
研修手法は、機器・ソフトの操作研修からネットワーク上でのモラルや情報化の動向などといった特定テーマに関する研修まで、基礎的な知識を習得する研修では、ほとんどが集合研修の形態をとっている。ただし、実態としては、集合研修だけで受講した職員全員が研修内容を実務に役立てることができるとは限らない。現場の経験者によるアドバイスを得たり、質問することによって実務での利用がなされているということがいえる。
この他、特定テーマに関する討議を電子会議室で行ったり、機器やソフトウェアの操作マニュアルを電子掲示板やWWW(WorId Wide Web)で閲覧できる環境を整備している例もある。