2 情報の受発信能力
情報の受発信能力についても、検索エンジンやプレゼンテーション・ツールの利用方法といった操作技術的なものを指す場合が多い。
しかし、既にみたように、地方公共団体職員に求められる情報の受発信能力は、単なるプレゼンテーション・ツールの利用を超えるものである。
例えば、「情報創造・活用型」事務は、収集した情報を分析・加工して問題を抽出し、問題の所在や解決策を発信することになる。そうした事務を行うためには、様々な情報の分析手法に関する知識も必要であるし、問題の所在をわかりやすく伝えるための表現テクニックも習得しなければならない。
また、住民や民間諸団体との協働のために、ネットワーク上で情報交換を行うならば、文字を用いて的確な意思表示ができることは最低限必要な能力である。更に情報交換を有意義に進めようとするなら、相手が持っている情報を上手に引き出す能力、相手方の発言の意図を理解して適切な対応が行える能力、更に、ネットワーク上で発生してしまった誤解や対立、論争に対して、的確に対処するための能力など、各種のコミュニケーション能力も必要になってくる。
このように、情報の受発信能力についても、操作能力と併せて学習すべき能力は、数多く指摘することができる。
3 育成すべき情報リテラシー
以上、整理した内容を考慮して、本調査研究においては、育成すべき情報リテラシーを以下の5カテゴリーから把握することとする。
(1)情報機器などの操作能力
パソコン及びネットワークの利用方法である。
具体的な目標としては、例えば、以下のような項目を挙げることができる。
・電子掲示板や電子会議室のメッセージを読み、また投稿できること
・電子メールの受発信が行えること
・定型的な文書や数表を作成できること
(2)情報活用の前提知識
ネットワーク上での情報流通の特性など情報を受発信する上で留意すべき事項やコミュニケーションのマナー、ウイルス対策などのセキュリティ問題及びソフトウェアやコンテンツの著作権、保護すべき情報などについての知識である。