日本財団 図書館


第2節 情報リテラシーの内容

 

情報リテラシーは一般に、「コンピュータ及びネットワークの操作能力」「情報の受発信能力」を指すことが多い。ここでは、高度情報化社会に求められる情報リテラシーについてこの二点から整理して、育成すべき情報リテラシーの内容を明らかにする。

 

1 コンピュータ及びネットワークの操作能力

コンピュータ及びネットワークの操作能力は、文字どおりの操作技術が含まれることは明らかである。しかし、単なる操作技術だけでは、ネットワーク社会における情報発信のためにはまだ十分ではない。

例えば、ネットワークに接続されたコンピュータがあれば、大量かつ広範囲にわたる情報をネットワークから随時入手することができる反面、利用者は、常にコンピュータ・ウイルスや盗聴、改竄、破壊などのクラッキングの脅威にさらされている。しかし、ただ危険だからというだけで何の対処をすることもなく、コンピュータをネットワークから切り離すことは、前節までに述べたネットワーク社会の現状の下では現実的な考え方ではない。むしろ、ネットワークの操作技術とともに、こうした危険を避ける、あるいは的確に対処するための方法についても学習しておくことによって、ネットワークの危険も利点も知った活用ができなければならない。

また、現状のインターネットには、ソフトウェアやコンテンツの著作権といった財産権を保護するための技術的な仕組みは存在しない。このため、財産権の侵害を避けるためには、ソフトウェアやコンテンツの利用者自身が必要最低限の知識を持ち、自ら注意する必要がある。

更にネットワーク上においては、安易に情報発信を行うとそれが瞬く間に広がり、意図しない混乱を招くことがままある。これを防ぐためには、情報伝達の速さに代表される、ネットワーク上での情報流通の特性に対する理解が必要である。また、文字のみで意思疎通を行う際には、解釈の食い違いから対立が起こることも多いが、これを避けるためのマナーについての知識も必要であろう。

このように、コンピュータ及びネットワークの操作能力では、ウイルス対策などのセキュリティ問題や、ソフトウェア・コンテンツの著作権、コミュニケーションのマナー(一般的にこれを「ネチケット」と呼ぶ)についての知識なども含んで学習する必要がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION