こういった変化により生み出された時間は、新たな事務処理だけではなく、事務の内容が施策立案やそのための調査分析や企画業務などへと質的にシフトするようになる。
3 情報化の担い手の変化
地方公共団体における情報化を推進し、ネットワークの活用を行っていくのは、従来の情報管理主管部門の職員だけではなく、少量・非定型業務で職場ごとでの多様な対応が求められるようになったことにより、全職員へと情報化の担い手が拡大しつつある。
この他、地方公共団体全体においての事務の効率化を図る上でも、例えば文書のぺーパーレス化や情報の共有化の実現において職員全員にパソコンなどの基礎的な操作能力を身に付けることが必要であり、情報を共有するという意識も重要になってくる。更に、各種証明などの電子化においてプライバシーに関するデータを取り扱うことを考えた場合、情報のセキュリティ意識が不可欠になってくることなど、これからの時代において地方公共団体職員の情報リテラシーは紙やペンなどと同様に業務に不可欠なものになってくる。
こういった変化に対応しうるためには、情報管理主管部門に大きく依存した情報化ではなく、職員全体が適切なスキルとマナーをわきまえた利用者集団による情報化を目指さなければならない。
そのためには、職員の情報リテラシー育成についてもマネージメント層が「どういう職員をどれくらい育てたい」といったビジョンをはっきりと持って、地方公共団体の戦略の一つとして行う必要がある。
このようなマネージメント層の認識の重要性と合わぜて、地方公共団体に従事する職員一人一人においても、情報リテラシーは接遇や業務における基礎知識と同様に必ず身に付けなければならない能力の一つであるという意識改革を行って、研修や日常業務などのあらゆる機会を活用してその向上に努めなければならない。